VSL工法
VSL工法は、1958年スイスのロージンガー社によって開発されたポストテンション方式の緊張システムです。
VSLアンカー工法とは、これをアンカー頭部の定着部に用いたグラウンドアンカー工法のひとつです。
引張り材には、PC鋼より線(φ12.7㎜とφ15.2㎜)を標準とし、用途・使用期間により永久(ランクA)と仮設(ランクB)があり、違いは防錆処置にあります。
特長
- 実績豊富な緊張・定着。
- 引張り材にはPC鋼より線を束ねて使用しているので必要耐力に応じて本数を調整できる。
- 小さなアンカー径(公称φ135㎜)で大きな引張り耐力を得られる。
- VSL永久アンカー工法はコルゲートシースを用いた多重防食構造となっており、強度及び耐久性を長期に渡り維持できるアンカーである。
- 日本建築センターの技術評定を取得した VSL-J1永久アンカー工法 もあります。
Photo(VSL-J1)
鋼線釣込み状況
緊張試験
完成
VSL協会 http://www.vsl-assoc.org
KTB工法
KTB工法は、黒沢建設㈱が開発したアンカー工法で、アンカー頭部の定着方法に特徴があり、ロックナット付きのアンカーヘッドに各ストランドをクサビ定着により固定します。引張り材にはPC鋼より線を使用します。
多重防錆処理を施したPC鋼より線を用いた永久アンカー(ランクA)には荷重伝達方式により、従来型の引張型に加え、耐荷体を用いた荷重分散型もあります。(建設技術審査証明書取得)
特長
- ロックナット式の為、クサビ定着時のセットロスを容易に解消でき、更に再緊張が容易に出来る。
- 緊張、定着時の導入荷重を確実に計画荷重に合わせる事ができる。
- 永久アンカーの全素線塗装型ストランドは引張型の腐食問題を解決し、削孔径を小さくする事も可能。
- 荷重分散型はアンカー体に発生するひずみが概ね圧縮側となり、更に分散される為グラウトの強度を有効に使う事が可能。
- 建築技術性能証明書を取得した本設KTB鉛直地盤アンカーにより、浮上り防止や耐震補強工事にも用いられています。
参考図
Photo(本設KTB鉛直地盤アンカー)
アンカー体
削孔状況
緊張・頭部処理
完成
KTB協会 http://www.ktb-kyoukai.jp/
除去アンカー工法
除去アンカー工法とは、山留解体後に仮設施工されたアンカーのPC鋼より線を引き抜くために開発された工法です。
除去方式により 各種工法がありますが、引張り材にアンボンドPC鋼より線を使用し、テンドン加工時に耐荷体(拘束具)の先端部でPC鋼より線をターンさせる方法の圧縮分散型の除去アンカー工法が主流となっております。
特長
- 一般の引張型アンカーと施工性は同じで、容易に施工が可能。
- 地中支障物となるPCストランドのほぼ100%を除去することが可能で除去式アンカーの主流である。
- アンカー引張材にアンボンドPCストランドを用いているため小さい引抜力で簡単に除去することが可能。
- 従来のPCストランドの除去に加えて耐荷体にバイオプラスチック素材を用いた次世代型の除去アンカーも開発されています。