東洋テクノ

杭PADの開発


杭PADの開発
タブレットを使用した施工記録システムと、孔壁測定の自動解析技術

 東洋テクノ株式会社(東京都渋谷区、社長:渡邉芳春 以下、東洋テクノ)は、このたび、場所打ち杭の施工をタブレット上で記録できる「杭PAD」を開発しました。 杭PADはタブレット上で動作するアプリケーションソフトで、現場内で杭の施工情報を電子データとして記録可能とするものです。従来は日中の施工時に施工情報を紙上に記録し、 その記録をもとに施工時間外に報告書を作成していたため、労働時間が長時間となっていることが問題となっておりましたが、杭PADでは記録したデータをもとに、自動で報告書を作成することができるため、労働時間が削減できるようになりました。
 杭PADの特徴の一つとして、場所打ちコンクリート杭における掘削孔の形状を超音波測定器で測定(以下、孔壁測定)した記録紙を内蔵カメラにて取込み、 画像認識技術を用いて自動的に解析を行うことが出来るようになったことが挙げられます。この一連の技術は、孔壁測定帳票作成システム等として特許出願中です。
 報告書の作成、孔壁測定の解析と併せて従来は1時間~2時間程度を要していましたが、 杭PADを用いることで労働時間を大幅に削減することが可能となりました。

 杭PADは2023年6月より開発に着手し、2024年4月より順次現場導入を開始しています。

杭PADの利点

開発の背景

 働き方改革関連法が2018年に公布され、労働基準法も改正されて法定労働時間を超える長時間労働に上限が設けられました。また、建築業界では1995年から2015年までに労働人口が150万人も減少しており、深刻な労働者不足が顕在化しています。これらの問題に対して建設業界では労働の効率化が特に求められており、DXやICT技術の導入が近年顕著となっております。東洋テクノではICT技術によって作業を効率化して業務改善を実施し、働きやすく魅力ある職場環境を実現するため、杭PADの開発を進めてきました。

杭PADの特徴① タブレットを使用した施工管理記録

 杭PADは施工管理を行う社員がタブレットを携帯し、現場で施工記録データを入力することができます。また、設計値を確認しながら施工管理を行うため、ヒューマンエラーを防止することができ、さらに杭PADで記録した施工記録データはオンライン上のクラウドサーバーで管理されるため、会社内と現場でデータをリアルタイムで共有することが可能となりました。 クラウドサーバーのデータをもとに施工報告書をデータとして作成するので、作業時間の削減とペーパーレスを実現できます。

タブレット使用例

 

杭PADの特徴② 孔壁測定の画像認識技術を用いた自動化(特許出願中)

 タブレット内蔵のカメラを用いて孔壁測定の画像をスキャンして杭PAD内に取り込むことが可能です。取り込んだ画像は画像認識技術を用いて自動解析を行い、そのまま書類化して報告書とすることができます。

測定自動化

 

杭PADの特徴③ さまざまな形式の報告書への対応が可能

 杭PADは報告書の形式を可変として開発しており、コンクリート打設表のグラフ化や、タイムスタディのグラフ化、杭姿図の描画などを備えています。そのため施主・元請ごとに指定される様々な形式の報告書に対応することが可能です。

帳票対応

今後の展望

 2024年4月以降、新規現場に対して多くの導入を行っており、実績を積み重ねてまいりました。今後は各支店からのフィードバックを実施し、継続した開発と運用を行ってまいります。